自動車事故と損害

物損

自動車保険がもっとも力を発揮するのは、自動車による事故が発生した場合です。
保険は、いわゆる「転ばぬ先の杖」として、あらかじめ準備しておくものです。
そこで、自動車保険を適用することができる場面として、物損が生じた場合を説明します。

 

物損とは、簡単にいうと、自動車による事故において、人に対して傷害等を負わせることなく、自動車や建物だけに損害が生じることをいいます。
例えば、急カーブがある道路で、自動車がカーブを曲がりきれずにガードレールにぶつかった場合に、自動車自体とガードレールに生じた損害が物損にあたります。
この事故によって、例えば同乗者や歩行者に傷害が生じたとすると、それらの損害は人身傷害にあたります。
人身傷害については、別項において詳しく説明します。

 

このように物損事故が生じた場合には、自動車保険を利用することが考えられます。
例えば、自動車を修理するために費やした修理費や、ガードレール等の物を壊した場合にそれを直す代金を自動車保険によってまかなうことができます。
しかし、ここで注意しておきたいのは、ここでいう自動車保険は、自賠責保険ではなく、任意保険であるということです。
自賠責保険の項でも説明しましたが、自賠責保険でカバーできる範囲は人身傷害に限られており、物損事故についてはカバーしておりません。
もし物損についても保険をかけておこうとお考えの方は、物損事故の場合について任意保険に加入しましょう。

人身傷害

自動車保険が効果を発揮する場面として、物損事故のほか、自動車事故によって人身傷害が生じた場合が考えられます。
ここでは、人身傷害について説明します。
人身傷害とはどのようなものをいうのでしょうか。
これは、大きく分けて3つあります。
それは、積極的損害、逸失利益、さらに慰謝料です。

 

まず、積極的損害とはどういうものをいうのでしょうか。
例えば、自動車事故によって、事故にあった人が足を骨折した場合に、足の骨折についての治療費が積極的損害にあたります。
つまり、自動車事故よって生じたけがなどのマイナスが積極的損害です。

 

次に、逸失利益とはどのようなものでしょうか。
例えば、自動車事故によって足を骨折した場合、このけがを治療・リハビリしている間、事故にあった人は仕事をすることができないかもしれません。
そこで、事故にあわずに仕事ができれば得られたであろう給料は、事故によって得られなかった利益として逸失利益にあたります。
また、事故によって不幸にも後遺障害が残ってしまった場合にも、労働能力が失われたとして逸失利益が認められます。
つまり、事故がなければ得られたはずの利益が、事故が原因で得られなかった場合を逸失利益といいます。

 

最後は、慰謝料です。
慰謝料は精神的損害に対する賠償です。
例えば、事故によって足を骨折するというのは、不幸なことであると思います。
そのような気持ちは、基準を用いて金銭に見積もることはできません。
他方で、事故の加害者としても、事故の責任で押しつぶされてしまうかもしれません。
そこで、被害者及び加害者の双方のために、慰謝料が認められます。